まつエクの付け替えを定期的に行えば、衛生面のリスクは軽減します。
しかし、リスクがなくなる訳ではありません。
長期的に、継続的にまつエクを使用している場合は、思いも寄らぬ重大な異変が体におこる可能性があるのです。
「接触性皮膚炎」とは、触れたものが皮膚への刺激となり、アレルギー反応を起こす症状です。
一般的には「かぶれ」と呼ばれています。
金属やゴム手袋を装着したときのアレルギー反応による発症が有名ですが、口紅やファンデーションでも引き起こされる可能性がある反応です。
まつエクにおいては、施術に欠かせない「グルー(接着剤)」によって引き起こされる恐れがあります。
これは接着剤が揮発する際に発する成分「ホルムアルデヒド」が原因です。
一般的には施術後40時間前後でホルムアルデヒドの揮発は収まりを見せますが、日々の洗顔やシャワーなどで水分と混ざり合うと揮発が再発します。
繰り返せば、ある日突然アレルギー反応が現れるかもしれません。
「角膜炎」とは、眼球の黒目にあたる場所にある「角膜」という薄い層に傷がつき、細菌が繁殖しておこる症状です。
まつエクにおいては、施術が終わったあとにも発症する恐れがあります。
グルーが付着したエクステが眼球に入り込み、そのままこすってしまうことで角膜に傷がついて発症した事例が見受けられました。
「結膜炎」とは、白目からまぶたの裏側にかけて広がる半透明の膜が炎症を起こす症状です。
白目部分が充血をするため、異変がおこると白目が赤くなります。
結膜炎になる原因としては、サロンで使用された器具が不衛生だった、という可能性が高いです。
ただし潜伏期間があるため、日常生活にもどったタイミングで症状が出ます。
施術後2週間を目安に目に違和感を覚えたら、施術の際に結膜炎に感染した恐れがあるため直ちに眼科を受診してください。
まつげを装着すると挙げられるデメリットとしてよく見かけるのが「本来の自まつげがなくなってしまう」という意見です。
これに関しては「まつエクが原因とは限らない」と言えます。
なぜなら、まつげは普通に過ごしていても1日に4~5本は抜けるものだから、です。
洗顔やメイク落としの際にまつげが必ず抜けてたとしても、正常な現象の可能性が十分にあります。
毎日15本以上抜けてしまっている、という明らかな異変がない限りは心配しなくて大丈夫です。
まつエクをしていると、目に関するトラブルを引き起こす可能性が高くなります。
かゆみや痛みに悩まされないためには自分の手で対策を行うしかありません。
まつエクを行う際は「目の周りを清潔に保つ」「信頼できるアイリストを見つける」「すぐに頼れる皮膚科を見つけておく」などの対策を行い、リスクと上手に付き合うことが大切なのではないでしょうか。